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【無人島67日目】Inger Marie “By Myself”

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By Myself

By Myself

  • アーティスト: インガー・マリエ
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2006/11/22
  • メディア: CD


67日目。昨年巷では「オーガニック」とか「ロハス」とか「ナチュラル」なんてモノが流行っておりましたな。音楽でもJames Bluntの「You’re Beautiful」を筆頭に、アコースティックな音作りで、険のない、優しい感じの曲が流行してました。それは全然悪くないし、ボクもアコースティックな音楽は好きなんでいいんすけど、美メロや癒しを商品化し、「泣けます!」なんてキャッチコピーで売りつけようとする日本側のプロモーションが気に入らん。Daniel Powterの「Bad Day」がなんで「ついてない日の応援歌」なんて邦題になるんだ? The Frayってバンドの「How To Save A Life」っていう名曲に、なんで「こころの処方箋」なんて全く内容と関係ねえタイトルつけんだよ? 変なタイトルつけんな、ドアホ! オレはそんなに疲れてねえよ! もっさ元気じゃい!



なんでこんな鼻息が荒くなってるかというと、この人もそういう風に扱われてしまいそうで怖いからです。頼むから変な邦題とかつけないでね。ノルウェー出身のシンガー、Inger Marieのセカンド・アルバム「By Myself」です。

04年にインディーズからリリースしたファーストアルバム「Make This Moment」が、05年に日本のCDショップで火が付き、輸入版としては異例の大ヒットを記録。その後、韓国やフィリピンなどに飛び火し、なぜかアジア圏で大成功を収めた後、逆輸入の形で本国でも人気が出始め、ようやくメジャーデビューに漕ぎ着けたという珍しいニューカマーです。

本名は「Inger Marie Gundersen」で、インディーズ時代は日本語でも「インゲル・マリエ・グンナシェン」と表記されていましたが、さすがに覚えづれえだろってことになったらしく、本作から「インガー・マリエ」とされてます。もうそこらへんだけでボク的にはドキドキしちゃいますけどね。いいじゃん、本名で! 省略すんな!

ノルウェーではクラブやライブハウスを中心に、すでに20年以上のキャリアがあるシンガー。ジャズやポップスを中心に、数多のミュージシャンとセッションを組んでいた人で、地元の人気ビッグバンドのリードシンガーを6年近く務めていたのだそう。正直、声量はないし、高音部分がかすれて聴き取りづらい。でも、それを含めボクはこの人の声にメロメロです。色香とぬくもりと知性を兼ね備えた、天性の美声。昨今の売り文句的には「大人の癒し系」とでも言えばピッタリでしょうか。

ファーストの「Make This Moment」に出会った当初、ボクはほぼ恋に落ちてしまい、友達にコピーしまくって配り歩いたほど(←違法)。特に収録曲であるエルビスのカバー「Always On My Mind」は、サル並みにエンドレスリピートしまくり、血が出そうになりました。「北欧のノラ・ジョーンズ」なんて、これまたベタなキャッチがついてましたが、ノラというよりは、Diana Krallのカジュアルさと、Joni Mitchellの内向さに、年輪を加えた感じでしょうか。分かりづらいか。とにかく素晴らしいアルバムでした。

そしてようやく、垂涎しながら待っていたセカンド「By Myself」が、昨年末にリリース。前作では自作の曲もたくさん収録されていましたが、今回はカバー曲が中心。Crazy Horseの「I Don’t Want To Talk About It」、James Taylorの「Don’t Let Be Me Lonely」、U2の「One」などが入っています。前作よりも、ちょっと大人っぽい雰囲気というか、洗練された感じがします。ボク的には正直前作のこじんまり感が好きだったのですが、まあメジャーデビューするということは、こういうことなんでしょうな。もちろんその素晴らしい歌声は健在。

アジアから火がついたことでも分かるように、実に日本人好みなインガーさん。きっと人気が出て、いずれこのアルバムにも変な邦題とかつけられちゃったり。「By Myself〜ひとりぼっちのマイララバイ」。違うな。「By Myself〜ロンリーハートを抱きしめて」。かっこわる!「By Myself〜そんなことだからあなたはひとり」。うわー意味不明! だめだ! 結構ムズい! バカにしてすんません!

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