セント・オブ・ジ・アイランド,セント・オブ・メモリー~想い出の薫り・・・~
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2005/02/23
- メディア: CD
138日目。12月はバタバタとして、しばらくブログの更新をサボっておったら、いつの間にか大晦日でございます。そしてワタクシは今なぜか、石垣島というところにおります。今年は夏休みが取れなかったので、思い切って年末年始の休みに有休1週間を当てて、14泊15日というロンバケ in 石垣アイランド。しかも一人旅。しかも知り合いなし。しかも季節は冬。出発前は2週間もなにすんべ?と危惧しておりましたが、なかなかどうして楽しく忙しい毎日で、すでに1週間の折り返しに差し掛かっております。うーん、2週間じゃモノ足りん!つーか、もう帰りたくないんでちゅぬ!
そんな石垣島で、先ほどドライブをしておりましたら、ローカルFMからこんな曲が流れてきました。はてさて、これは一体何の曲なのでしょう? とりあえず聴いてみてください。
限りなくBEGINの「涙そうそう」に近いですが、サビのメロディーなんかは全然違うし、訳詞もまったく別物になっております。カバー曲なのか、モノすごい音楽の偶然なのか、はたまた……などとドキドキしながら調べたら、この曲はハワイ出身のミュージシャン、ケアリイ・レイシェルの「KA NOHONA PILI KAI(カ・ノホナ・ピリ・カイ)」という歌で、BEGINの「涙そうそう」をモチーフにして、オリジナルの歌詞とメロディを組み合わせた曲らしいです。
ケアリイ・レイシェルはハワイでは超有名ミュージシャンで、95年にリリースしたデビュー・アルバムが、1万枚がヒットとされるハワイの音楽業界で、35万枚の大ヒットを記録。音楽賞を総ナメし、翌年セカンドをリリースするまで、ずっと首位をキープしたというモンスター・アルバムになりました。その後人気はアメリカ本土にも飛び火し、大手レーベルであるアトランティックと契約。04年には先ほどの「カ・ノホナ・ピリ・カイ」で、ハワイのグラミー賞にあたるナ・ホク・アワードも受賞しました。
昨今は著作権だなんだと、やたらうるさいですが、そもそも歌というのは聴く者と歌う者、両者のものであり、誰かが作った大好きな歌を、自分なりにアレンジして新しい曲にする、なんていうのは、フツーのことのようにボクは思います。子供のときに友達と帰り道に作ったヘンテコな替え歌や、母親が洗い物をしながら口ずさんでいる微妙に流行歌が2曲くらい混じり合っちゃっている感じの鼻歌なんかも、結局は好きな曲を好きなように歌っている、一番歌らしい歌だと思うのです。
きっとこのケアリイさんも、どこかで「涙そうそう」を耳にして、「ええ歌やなあ」と思ったんだけど、日本語だから何言ってんのかわからんし、うろ覚えで帰ってきちゃったんで、覚えてる範囲でメロディーを継ぎ足して、適当に自分でハワイ語の歌詞つけたら、こんなんできたんやけど……、みたいな感じなんだと思います。パクリだと言っちゃえば言えちゃいますが、ちゃんとクレジットにはBEGINの名前を連ねているし、なによりも「涙そうそう」という歌のもつ、清潔さと誠実さをちゃんと引き継いでいるところが素晴らしいなあと思うのです。
早速i-Tunesで、ケアリイさんのベストアルバム「Scent Of The Islands, Scent Of Memories」をダウンロード。「カ・ノホナ・ピリ・カイ」はもちろんのこと、Stingの「Fields Of Gold」を、こちらは完全なカバー曲として収録されております。ベタついたところのない男前なボーカルと、シンプルでありながらハワイアン・スピリッツを確実に取り込んだアレンジが、なぜか石垣島の景色にしっくりと溶け込みます。今宵はケアリイさんを聴きながら、泡盛で年越ししようかな。うーん、もう帰りたくないんでちゅぬ〜。
※今年も拙いレビューを読んでいただき、誠にありがとうございました。来年も細々とですが続けて参りますので、何卒ご愛顧いただければ幸いでございます。皆様によいお年が訪れますよう、南の島からお祈り申し上げております。
ハチ