- アーティスト: Israel Kamakawiwo’ole
- 出版社/メーカー: Big Boy
- 発売日: 2001/10/16
- メディア: CD
29日目。以前このブログにも書いたことのある、南米無期限一人旅をしていたボクの友人が、先週ようやく日本に戻ってきました。きっとどっぷりサンバな男になってるんだろうと思っていたら、帰ってきた早々メールで、「この人の歌、いいっすよー」って薦めてくれたのが、このミュージシャン。え？ ハワイアン？ つうか、小錦？ つうかつうか、お前、南米に行ってたんじゃなかったの？
なにはともあれ、友人から薦められたものは有り難く拝聴することにしているので、本日会社に行く前にCDショップに寄り、早速ご購入。しかし、すごいジャケだな、おい。中にどういう音楽が入っているのか、まったく想像つかねえし。
「IZ（イズ）」の愛称で知られる、ハワイアン・ミュージックの偉人、イズラエル・カマカヴィウォオレ。「1997年に38歳で他界した伝説の巨漢ミュージシャンで、死因は肥満」って、ジャケ写真だけを見ながら聞かされたら吹き出してしまいそうですが、実は1993年に発表した「Facing Future」というアルバムで、ハワイアンで初の全米ミリオンセラーを獲得した実力派ミュージシャン。ハワイでは、死後10年経つ今もなお、根強いファンを持つ人気者だそうです。
このアルバムは、彼の他界後に、親交のあったプロデューサーによって編集された、未発表曲やアコースティック・バージョンを集めた「追悼盤」だそうです。どんな関取チックな歌声かと思いきや、甘く、繊細で、愛らしい歌声。例えるなら「ブラジルの天使」と謳われたヴィルジニア・ホドリゲスのそれに近いでしょうか。汚れを知らない子供のように澄んだ歌声っていうんじゃないんです。なんつうか、酸いも甘いも全部経験して、その上でなにかを捨てたり拾ったりした人たちだけが持つ声っていう感じ。聴いてると「慈愛」って言葉が浮かんだりします。
「『虹の彼方に』のカバーが素晴らしい！」って友達は言っていたのですが、確かにコレは素晴らしい。ウクレレ一本の弾き語りのわずか３分半の曲ですが、この１曲だけでもアルバムを買う価値があります。マジ秀逸。彼のこのカバーは、映画『ジョー・ブラックによろしく』や『小説家を見つけたら』にも使われていたらしいです。
Someday I’ll wish upon a star
And wake up where the clouds are far behind me
Where troubles melt like lemondrops
Away above the chimney tops
That’s where you’ll find me
星に願いをかける。
目覚めたら雨雲はすべて消え去っているように。
あの煙突の先のもっと上のほうまで、
不安はレモンドロップスみたいに溶け去っているように。
そういう場所に行けるように。
まだ直接会ってないんで、なんでブラジルに行ってハワイアンに目覚めたのかは不明ですが、長い旅の末にこの歌に出会ったら、それだけで涙が出そうになる気持ちは、分かる気がします。
