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【無人島79日目】José González “Veneer”

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Veneer

Veneer

  • アーティスト: José González
  • 出版社/メーカー: Peacefrog
  • 発売日: 2006/04/04
  • メディア: CD


79日目。週末、実家に戻り9歳の甥っ子と遊んできました。いつも甥っ子に会うと、必ずポケモンの絵を描かされるのですが、今回はそのリクエストが出ないので、ほほぉ、お絵描きもそろそろ卒業かね、ふんふん、などと思ってほっといたら、ボクが帰る間際になって「絵を描いてもらってない!」と大騒ぎ。ただ忘れてただけかいな。バカなやつ。ちょっと涙目になっている甥っ子を眺めながら、でもコイツがオレの絵の一番のファンかもしれねえなあ、と思った。だってオレの作るモノを、本気で涙目になるほど欲しがってくれるってのは、世界中探してもコイツだけでしょう。思わず頭をくちゃくちゃに撫でながら、「今日は描かん!」とトドメを刺して帰ってきました。ガハハハ。ザマミロ。

ホセ・ゴンザレス。アルゼンチン人の移民である両親のもと、スウェーデンで生まれ育ったシンガー・ソングライター。03年にリリースしたデビューシングル「Crosses」が、スウェーデンでは20週もチャートインするなどの大ヒットになり、続く2枚のシングルも話題に。満を持して05年に発表したファーストアルバム「Veneer」は、本国でゴールド・ディスクとなり、数々の賞を獲得しました。

彼の作る音楽は、静かで美しく、そして躍動感のあるアコースティック。北欧らしい美的センスと、南米の血が隠せないガットギターの激しさ。70年代に孤高のシンガーソングライターと謳われたNick Drakeや、初期のEverything But The Girl(というかBen Watt)、最近だとThe Beautiful Girlsなどのやっている音楽にも似ていますが、でもその中のどれとも被らないワンアンドオンリーな世界観があります。

欧州で流れたソニーの「Bravia」のCMで、サンフランシスコの街を25万個のスーパーボールが飛び回るっつう印象的な映像がありましたが、あのコマーシャルに使用されたのが、このアルバムに入っている「Heartbeats」という曲。その映像を取り入れたPVを見つけたので、下につけておきましょう。





演奏はもちろんですが、ボーカリストとしての評価も高く、56日目に紹介した「Zero7」のニューアルバムでも、ゲストボーカルとしてフィーチャーされています。決して美声ではないけれど、説得力と包容力のある歌声。もの静かで無口なんだけど、実は内側にモノすごく熱いものを隠し持った人、といった印象が、この人の歌にはあります。3月に初来日ライブが決定。チケット取りました。ドキドキ。

実家から自分の部屋に戻り、久しぶりに絵筆をとってみた。このアルバムをBGMに、久々に制作活動中。お前がオトナになっても、泣くほど欲しがるような絵を描いてみせてやるぜ。ガハハハ。ザマミロ。

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