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【無人島261日目】小泉今日子 『Koizumi Chansonnier』

投稿日:2014年2月4日 更新日:

261日目。どちらかというと、というか、相当テレビに疎いボクは、昨年大流行した『半沢直樹』も『あまちゃん』も、一度も見たことがございませんでした。ちょっと前に話題になった『家政婦のミタ』も見なかったな。だって、毎週忘れずにドラマを見るって結構しんどいし、予約録画するとどんどん溜まっちゃって、見る前にお腹がいっぱいになっちゃう。どうせなら一気に根を詰めて見たいほうなので、先週あたりから『あまちゃん』のDVDをTSUTAYAレンタルで大人借りをして見始めております。じぇじぇじぇ! 超おもしれー! ストーリーも面白いし、会話もかわいいし、登場人物の誰もが愛らしい。世間から1年遅れで、ようやく今『あまちゃん』にすっかりどっぷりハマっております。

今のところのストーリー進捗状況としては、小泉今日子演ずる春子が『潮騒のメロディー』を初めてみんなの前で披露するあたりなのですが、80年代のスーパーアイドルにこの役をやらせるという配役もニクいですな。

小泉今日子といえば「花の82年組」と呼ばれたアイドル全盛期のデビュー。聖子ちゃんのような主役感や、明菜ちゃんのような歌唱力は持ち合わせておりませんでしたが、その独特なセンスとバランス感覚を武器に、今日まで浮き沈みすることなく、ずっと第一線で活躍し続けている希有なスターですな。

原田知世ちゃんもそうですが、キョンキョンの場合も歳を重ねてからのほうが音楽的に面白くなってきていて、特にボク的には2003年の『厚木I.C.』あたりで彼女は、「アイドル・キョンキョン」という看板をおろし「ミュージシャン・小泉今日子」になったような気がします。

そして2012年にリリースしたアルバム『Koizumi Chansonnier』では、作家陣に小西康陽、二階堂和美、浜崎貴司らを迎え、彼女なりの「シャンソン」に挑戦しております。収録曲のどれもが素晴らしいのですが、特にボクのお気に入りはこの曲。本人の動画を探したのですが見つからなかったので、オリジナルであるシャンソン歌手・クミコさんのバージョンでお聴きください。タイトルは『わが麗しき恋物語』。

あたしは19で 町でも噂の ちょっとした不良で
わりかし美人の 部類だったから ちやほやされたわよ
眉をひそめてる 大人を尻目に ずいぶん遊びもしたわ
人生って何て ちょろいもんだって 冷めたまなざしで

あなたがあたしを 好きといったとき 思わず笑ったわ
あんまり真面目で コチコチになって 震えてさえいたでしょう
そんな男って 見たことなかった それであたしも震えた
人生って何て 奇妙で素敵って 少しだけ泣いた

安いアパート 暗い部屋 景気の悪い時代だって
へらないジョーク 言い合ってふたり 笑えばしあわせで

5年がたったら あたしは止めてた 煙草をまたはじめ
あなたの浮気が 7回目数え あたしも3回目
視線をそらして 会話も減ったけど どこでもそんなものでしょ?
人生ってそうよ 退屈だったって 思い出しながら

さもない毎日 半年が過ぎた その日は止まない雨
聞いたこともない 病気の名前が あなたのくちびるから
あたしは壊れた 空缶みたいに 口を開けていただけ
人生って何て 意味が不明なの いなくなるの?あなた

白い煙が 昇った日空は どこまでよく晴れて
あたしは泣いた 自分でも疑うくらい 大声で

愛だったかなんて 誰もわからない 教えてほしくない
とっくに忘れた 昔の日のこと 時々浮かぶけど
ほほ笑みが 少し混じっているなら それでいいと言うわ
人生って何て 愚かなものなの あとになってわかる
人生って何て 愚かなものなの みんなあとで気づく

フランスを代表するシャンソン歌手「バルバラ」が、1966年に発表した『Ma plus belle histoire d’amour(私の最も美しい恋の物語)』が原曲。フランス語のオリジナルはハッピーエンドな歌なのですが、詩人・覚和歌子氏が原詞をはるかに凌駕する超訳で、新たな物語を紡いでおります。オリジナルであるクミコさんの歌もステキですが、ちょっと老いた乾いた声で、語るように歌うキョンキョンのバージョンもぐっときます。

若い時はチヤホヤされていて、浮かれている間に歳を取り、気付けば大切なものを失っていたというストーリーは、『あまちゃん』の春子にも、もしかしたらご本人のプライベートにも、通じるものがあるのやもしれません。先日あるテレビ番組でキョンキョンが、現在独身である自分自身の恋愛観について、「昔は相手が悪い、相手が違った、なんて思ってたけど、最近ようやく全部『自分のせい』だと思えるようになった」というようなことを話しておりました。許せなかったものを許せるようになり、すべてを自分の腹に収められるようになって、ようやくうたえる歌もあるのでしょう。昔の自分をパロッたような『潮騒のメロディー』にしろ、この切ないシャンソンにしろ。っていくつなの?って調べてみたら、偶然にも本日(2月4日)で48歳をお迎えになられるようです。じぇじぇじぇ!HBD!

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