127日目。ボクはバブル全盛時に大学生だった世代なのですが、当時大流行していたユーロビートという代物がどうにも好きになれず、全盛期を迎えていた「ジュリアナ東京」や「マハラジャ」などにもほとんど行きませんでした。そもそも人ごみが好きじゃないし、生演奏でもない音楽でなんで踊らにゃいかんのよ? 人の楽曲繋ぎ合わせとるだけで、キミらは楽しいんかい、DJさんとやら?などと思ってました。でもその後、テイトウワやブレイズ、ディミトリ・フロム・パリなどの音楽に触れ、30過ぎてすっかりクラブ・ミュージックに心酔。38歳の今、クラブで慣れないステップを踏み、翌日筋肉痛になったりとかしとります。まさに遅咲き feat. 狂い咲き。イエーイ。
たぶん、今世界で一番旬で人気のあるDJ兼プロデューサーであろう、マーク・ロンソン。先日、ブリトニーが復活(?)パフォーマンスを行った MTVビデオ・ミュージック・アワードでも、フロアDJとして回していた彼は、ニューヨークを拠点に活動する弱冠32歳。
93年ごろから、ニューヨークのダウンタウンでDJを始め、ヒップホップとUKロックを融合したプレイで話題を呼び、瞬く間に人気DJとなります。やがて、プロデューサーとしても活動を始め、最近だとクリスティーナ・アギレラ、リリー・アレン、ロビー・ウィリアムス、エイミー・ワインハウスなどの曲を手がけています。個人名義でも03年にCDをリリースしています。
彼が特に注目を浴びたのは、昨年。イギリスで制作されたレディオヘッドのトリビュートアルバム「Exit Music」に参加し、ファントム・プラネットをフィーチャーした「Just」を発表したところ、英国のラジオでパワープレイとなります。その流れに乗って、満を持してドロップしたセカンド・アルバムが、イギリスでは今年4月にリリースされたこの「Version」です。
このアルバムは、マーク本人がお気に入りの曲をリメイクしたもので、ほぼ全曲がイギリスのロックバンドのカバー。リリー・アレンがカイザーチーフの「Oh My God」を歌い、ロビー・ウィリアムスがシャーラタンズの「The Only One I Know」を歌い、コールドプレイの「God Put A Smile Upon Your Face」をインストに変え、マキシモパークの「Apply Some Pressure」を、マキシモパークのボーカルであるポール・スミスをフィーチャーして再録するという豪華版。
全曲、なんだか聴いたことあるけど、あまりの強烈なアレンジに、元曲がもうよく思い出せないくらいの、聴きごたえのあるリクリエイトぶり。しかもさすがDJだけあって、ザ・スミスの「Stop Me If You’ve Heard This One Before」と、シュープリームスの「You Keep Me Hanging On」をまぜこぜにしてリメイクしてたりと、遊び心も満載でおもしろい。このアルバムで一番ボクがお気に入りの「Oh My God」のPVをYouTubeで見つけたのでつけておきましょう。
最近、音楽にしろ映画にしろ、カバーやらリメイクやらが、やたらたくさん出回っていますが、自分でゼロからクリエイトしていない分だけ、十全な責任と挑戦が必要だということに気づいていないウンコみたいな作品が多い中、ここまで振り切って自分の音楽にしているっちゅうのは、スゲーなあと思います。ウ〜ン、なんか踊りたくなってきちゃったな、おじさん。遅咲き incl. マジ咲き。イエーイ。