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【無人島225日目】竹原ピストル 『SKIP ON THE POEM』

投稿日:2011年4月25日 更新日:

225日目。元・キャンディーズのスーちゃんがご他界されました。ボクは「キャンディーズ」がデビューした年、小学校1年生でしたから、生まれてはじめて認識した「アイドル」という存在は彼女たちだったかもしれません。子供ながらに「この3人やったらスーちゃんが一番タイプやな」などと、ませたことを考えておりましたよ。あれから30余年。享年55歳とは早過ぎる。軽く手を振り、私たち、お別れなんですね。合掌。なむなむ。
身近な人でなくとも、誰かの訃報を耳にすると、いつかくる自分の「その日」を考えてしまうのは、ボクだけではないでしょう。「死ぬことを恐れては、生きることはできない」と歌ったのはジャニス・ジョップリンですが、死ぬことを見ないフリしていても、本当の意味で「生きる」ことはできないと思うのです。

かつて「生きてもないのに死んでたまるか!」とシャウトした「野狐禅」の元ボーカル・竹原ピストルのセカンド・ソロアルバム『SKIP ON THE POEM』には、そんなことを、つまり不格好な言葉になりますが「その日が来るまで全力で生ききるということ」をテーマにした歌がたくさん入っています。

世の中に必要とされている人間ほど
早くいなくなるなんてていうけど
世の中にまったく必要とされていない人間も
やっぱり同じくらい早くいなくなるよね
世の中に必要されている人間は
いなくなってもいつまでも心に生き続けるけど
世の中にまったく必要とされていない人間がいなくなっても
やっぱり同じくらいいつまでも心に生き続けるよね
(諸々、大丈夫だよ)

不貞腐れてもがきもせずあがきもせず
例えば季節のように
いつもの間にか終われせるのだけはまっぴらゴメンだ
(カウント10)

俺、やっとわかったよ
働きたくねえなら
絶対に怠けちゃいけないんだって
生きがいだけで生きたいんなら
絶対に怠けちゃいけないんだって
(最終電車は次の街へ、そしてまた次の街へ)

もがき、闘い、破れ、酔いつぶれ、倒れ込んだ地面に咲いていた、草花の美しさに泣いてしまう。彼の歌に出てくる青年は、矢吹丈のようなストイックさと、車寅次郎のようなユーモアと、山下清のような純粋さを兼ね備えた風来坊です。決して「ヒーロー」ではないけれど、強さとジョークと繊細さを忘れない愛すべき旅人です。ボクはそんな人に憧れます。

どんな風に生きれれば幸せなのか、どんな自分が本当に自分らしいのか。四十路を過ぎた今でもまったくもって分かりませんが、いつか「その日」がきたら、スーちゃんのように愛する人々に囲まれ「幸せな人生でした」と言えるようになるために、たぶん今は、絶対に怠けちゃいけないのです。

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