CD

【無人島214日目】Kimonos 『Soundtrack To Murder』

投稿日:2010年11月18日 更新日:

214日目。何かを見たり聞いたりすると、なんの脈絡も無く別のジャンルのものを思い浮かべてしまう。そんな経験はございませんでしょうか? 例えばボクは、ノラ・ジョーンズの『Don’t Know Why』を聴くと、なぜだかエドワード・ホッパーというアメリカの画家の絵を思い浮かべます。海辺の家でぼんやりベッドに腰を掛けている絵が、なぜかこの歌とシンクロするのです。あと、コールド・プレイの『Yellow』は、月の出ている夜のサンディエゴのハイウェイの景色が浮かびます。これはただ、この歌が流行っていた時にボクがサンディエゴに住んでいただけの話なのですが、10年ほど経った今も『Yellow』を聴くと、一瞬だけ夜のハイウェイを運転している気分になるのです。

閑話休題。元「NUMBER GIRL」で、現「ZAZEN BOYS」のフロントマンである向井秀徳氏と、日本人とスウェーデン人のハーフで、4カ国語を使いこなすマルチリンガル・ミュージシャン・LEO今井氏の新ユニット「KIMONOS」。先月リリースされたEP『Almost Human』も話題になっていましたが、昨日ファースト・アルバム『KIMONOS』が発売されました。まずはリード曲『Soundtrack To Murder』のPVをご覧ください。

カッコブーですな。LEOの持つ独特なスタイリッシュさと、向井の持つある種の反逆性みたいなものが、実に上手くマッチしています。なんとなく聞いてると落ち着かない気分になるのに、なぜだか繰り返し聴いてしまうという、不思議な中毒性。どこかで聞いた感じもするけど、よく考えると誰にも似ていない気がするオリジナリティ。素晴らしい。

ところでこの『Soundtrack To Murder』を聴いていて、ボクの頭に不意に浮かんだのが、66日目に紹介した松本大洋の傑作『竹光侍』。出だしの『一ツ橋に〜寝転がってる〜素浪人の〜亡骸〜』のくだりで、すでにボクは瀬能宗一郎と一緒に江戸の町を闊歩している気分になるのです。もしも『竹光侍』が映画になるようなことがあったら、主題歌はぜひこの曲にしてもらいたいです。

あと、LEO今井くんを見ると、いつもダイレクトにナイナイの岡村くんを連想します。これはまあ、ボクだけじゃないでしょうけど。いや、いい意味で。

-CD
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

【無人島227日目】Simone White 『Bunny In A Bunny Suit』

Yakiimo 227日目。ほんの10年くらい前までは、CMなどで耳にした気になる曲のタイトルや歌手名が分からないと、調べるには結構な苦労をしておりましたが、最近はネット検索や、iPhoneの曲目サー …

no image

【以前の無人島28日目】Nujabes “Modal Soul”

Modal Soul アーティスト: 出版社/メーカー: Hydeout Productions 発売日: 2005/11/11 メディア: CD 28日目。今日からこのブログのサイドバーに「音ログ」 …

no image

【以前の無人島14日目】James Blunt “Back to Bedlam”

Back to Bedlam (Clean) アーティスト: 出版社/メーカー: Atlantic / Wea 発売日: 2005/10/04 メディア: CD 14日目。今年もあと2日。「クリスマス …

no image

【無人島181日目】Antony & The Johnsons “The Crying Light”

ザ・クライング・ライト アーティスト:アントニー&ザ・ジョンソンズ 出版社/メーカー: Pヴァイン・レコード 発売日: 2009/01/23 メディア: CD 181日目。100歳を過ぎても尚、現役と …

no image

【無人島127日目】Mark Ronson “Version”

Version アーティスト: 出版社/メーカー: Sony/BMG 発売日: 2007/07/10 メディア: CD 127日目。ボクはバブル全盛時に大学生だった世代なのですが、当時大流行していたユ …