156日目。今年結成30周年の「サザンオールスターズ」が活動休止だそうです。まあ、もう30年も走ってきたワケですから、ちょっとくらいお休みも必要でしょう。78年にデビューしてから、シングル52枚、アルバム27枚、総楽曲数はざっと数えただけでも300は下らないでしょう。多作かつクオリティを下げずに走り続けてきた功績は、賞賛に値しますな。晩年に「私がなにもしなかったとは、誰も言わないだろう」と言ったのはパブロ・ピカソですが、サザンも同じで、こんだけやれば誰も文句は言えないのです。ホントすげーなーってことで、今回は16年活動して、アルバム1枚しか出していないこのバンドを紹介します。ひどい前振りやな。
153日目にも書きましたが、先日生ライブでイカせていただいた「eastern youth」。そのベース担当である「ニノさん」こと、二宮友和氏が、92年から「イースタン」と並行して活動しているのが、この「ひょうたん」というバンドです。「イースタン」ではベースを務める二宮氏が、この「ひょうたん」ではギターとボーカルを担当し、「イースタン」よりももうちょっと柔らかく、かつアバンギャルドな音楽をやっています。
やっていますつってもこのバンド、今までにリリースしたのはシングル1枚とミニアルバム1枚、そして今年結成16年目にして初めてのフルアルバムを発表したばかりという、とびきりの「のんびり屋さん」バンド。走る? なにそれ? 多作? ウマいのそれ? みたいな。超スローライフ。エコですな。
そもそもニノさんが中学時代からのバンド仲間であるベースの奥平厚志氏と2人で、「夏の日の午后」というユニットを始めたのがこのバンドの前身。その後、ニノさん宅に居候していた林康雄氏をドラマーとして巻き込み、3ピースになり、名前も「ひょうたん」に改名。高円寺あたりのライブハウスを席巻しておりましたが、ニノさんは「イースタン」の活動が忙しくなり、他の二人もなんやかんやで、98年から活動休止。02年に「そろそろまたやんべ?」と再始動し、シングルとミニアルバムを発表。タイバンではありますが、コンスタントにライブも行っております。
ボクが初めて彼らのライブを観たのは昨年。友人に誘われて、大久保のライブハウスで拝聴しました。プログレでもあり、ジャズでもあり、ポストロックでもあるその音楽は、演奏だけを聴くとアメリカのオルタナバンドにも似た乾いた空気があり、歌に耳を傾けると湿り気を含んだ日本の空気の匂いがする、そんなイメージ。実験的でもあり、革新的でもありながら、どこか懐かしい。こんな説明じゃぜんぜん分からんと思うので、今年3月に下北沢で行われたライブの模様をつけておきましょう。
ね? かっこブーでしょ? 今年2月にドロップされたファースト・アルバム「給水塔」も全10曲ドップリこのワールド。個人的には1曲目の「グラッチェ」にハマりました。聴いてるといてもたってもいられなくなって、旅に出たくなります。16年間の凝縮されたアウトプット。それはある意味、多作よりスゴイのです。