108日目。このブログを読んでいただければ大体想像がつくと思いますが、邦楽洋楽に限らず、ボクはヒットチャートを賑わす人気スターよりも、インディーズで頑張っている、まだあんま日の目を見ていない、でもセンスと実力のあるミュージシャンのほうが好きです。いわゆる先物買いのインディーズおたく。んで、応援していたミュージシャンが見事に当たって、メジャーに躍り出て一躍スターになると、「もうボクがいなくてもキミは大丈夫なんだね……」みたいなプチ失恋のような気持ちになって、物分かりが良過ぎて幸の薄い女のように、そぉ〜っと身を引いたりします。そう、サンボマスターもスキマスイッチも、みんなアタシを踏み越えて、遠くに行ってしまったわ。ふぅ〜(←メンソール系の細いタバコ)。そしてまた、もうひとり巣立とうとしている。羽ばたけ、奄美オオシマン!
このブログでも、以前の無人島でインディーズ時代のミニアルバム「マテリア」を紹介して以来、もうしつこいくらい取り上げてきた、シンガー・中孝介。昨年3月のメジャーデビュー以来、少しずつ、しかし確実にその歌声と名前を世に広め、今年4月にリリースされたサード・シングル「花」は、オリコンチャートで19位を記録。テレビやラジオ、雑誌等の露出も日に日に増え、つい先日もNHKの「トップランナー」に出演しておりました。オリコン19位はトップランナーか?っていう意地の悪いツッコミは抜きにして、それだけ世間の耳目を集めるアーティストに成長したってことです。
そして先週、待望の初フルアルバム「ユライ花」がリリースされました。発売翌日のオリコン・デイリーチャートでは、なんと6位にランキング! ほらみろ!どうだ!トップランナー!文句あっか!って誰に文句言ってるのか分かりませんが、いやはやすっかりビッグになりましたな。感慨深いです。
アルバムでは、森山直太朗、河口京吾、元「スーパーカー」のいしわたり淳治、そしてインディーズ時代から彼をサポートしてきた江崎とし子など、多彩なアーティストが楽曲を提供。そんな、まさに中孝介の声にユラってきた(集まってきた)花を、ひとつひとつ愛でるような優しさで、丹念に歌い上げています。ミディアム・テンポのR&Bあり、ラップを絡めたHIP-HOP調もあり、かと思えば「Ave Maria」のカバーありと、焦点が定まってない感もありますが、自分の歌の振り幅とポテンシャルを知らしめるという意味では、ファーストらしい、面白いアルバムだと思います。
この人が売れていくのは当然だし、そのつもりで応援していたのでもちろん嬉しいのですが、やっぱりライブがでかいハコになっていったり、チケットが取りづらくなったりするのは、一抹の寂しさがありますな。まあ、そんな初期ファンの寂寥感もぶっ飛ばすくらい、ピッカピカに輝くビッグなスターになるんだよ、奄美オオシマン。ふぅ〜(←メンソール系の細いタバコ)。