77日目。CDはもちろん中身の音楽が命ですが、やっぱジャケットも大事。ボクはデザインなんぞを生業としちゃてるので、かなりの頻度で「ジャケ買い」をしてしまいます。中身がウンコでもいい!このジャケが欲しい!とか思っちゃう。もちろんそうゆう場合は、聴いてから「ハズした〜!」ってことも少なくないですが、結構ジャケがかっこいいと中身もイケテルのモノが多く、やっぱ音楽もデザインも、アーティストのセンスという部分で結びついているんだろうなーと思ったり。最近だとRIP SLYMEのジャケは、いつもキレイでお気に入り。あとつい先日、ほとんど視聴もしないで買ってしまった、かわいいイラストジャケのこのCD。
ロサンゼルスの地元紙『LAタイムス』で「07年期待の新人」に選ばれた2人組ユニット「ザ・バード&ザ・ビー」のデビュー・アルバム。「The Bird And The Bee」っていうタイトルと、虫取り網を持った女の子の絵がなんともばっちりマッチしてて可愛らしいです。こんな可愛らしいジャケなのに、「PARENTAL ADVISORY EXPLICIT CONTENT(歌詞が過激すぎで、親のアドバイスが必要)」マークがついちゃってるところもチグハグでおかしいです。
ちなみにこの絵を描いたのは、ニューヨーク在住のHelen Verhoevenさん。検索したら、こんなサイトを発見。ウン、この人の絵好きかも。エドワード・ホッパーをポップかつ残酷にした感じ。ボクはこういう「キュートな狂気」って雰囲気に弱いのです。
で、中身の音楽はどうかっつーと、これがまた面白い。エレクトロニカな音作りでありながら、クラシカルな雰囲気があり、ものすごくポップな音楽のくせに、BGMとして邪魔にならない慎ましさのあるアルバムです。ボーカル担当のイナラ・ジョージのドリーミーな歌声と、レッチリやベックなどを手掛けたプロデューサーでもあるサウンド担当、グレッグ・カースティンのバランスの取れた音作り。こんなポップなアルバムなのに、レーベルがジャズの老舗ブルーノートの姉妹レーベル「メトロブルー」ってところもオモロい。つい最近、先行シングル「Again & Again」のリミックスが、ビルボードのクラブ・プレイ・チャートで1位に輝き、今後の活躍が期待されてます。
唐突ですが、ゲージツってのは、「ボクはコレがスキ!」って誰かに伝えることだと思います。例えそれが自分の作ったモノじゃなくても、好きだと思うものを選択し、それをどういう風に表現するかってことが、アートの本質なんだと。どんな服を選んで、どういう風に着こなすか、なんてのもアートだし、気のある女の子との初デートのために、グッチョイスなオリジナルCDをこしらえるのも立派なアート。だから、このボク好みのイラストをジャケットに選んだ時点で、ボクはこのアーティストがスキだし、たぶんそういうことが、一番「裏切らないコト」なんだと思ってるんです。