- アーティスト: ティル・ブレナー, ラリー・ゴールディングス, ディーン・パークス, デヴィッド・ピルチ, ジェイ・ベルローズ, ゲイリー・フォスター, カーラ・ブルーニ, マデリン・ペルー
- 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
- 発売日: 2006/04/19
- メディア: CD
64日目。ボクはチンクリなんで、背の高い二枚目とか見るとムカつきます。しかもそのルックスで売ってるんじゃなくて、才能で勝負しようとしてるミュージシャンとかアーティストってのは、ホントむかっ腹立ちますね、って、人間自体もかなりチンクリなボク。例えばちょっと古いけど、ハリー・コニック・Jrとかさあ。才能か二枚目か、どっちかにしてくれよ!って思っちゃう。あと、ジャック・ジョンソンとかもそうかな。アンタ幸せな人やねえ、なんてババアみたいな皮肉言いたくなっちゃう。そんで、このティル・ブレナーもそのひとり。はぁあ〜。全く二枚目ってヤツはよう。あぁ〜あっと!(←うるさい)
ティル・ブレナーは、ドイツ出身で現在35歳のトランぺッター。かなり裕福なご家庭に生まれたらしく、9歳にしてトランペットを始め、クラシックおよびジャズのあらゆるコンテストで賞を獲りまくり、連邦ジャズ・オーケストラに最年少メンバーとして参加。弱冠20歳にして、ベルリンを拠点に活動するホルスト・ヤンコフスキー・オーケストラのビッグバンドのメンバーに認定、という銀のさじを5〜6本くわえこんだまま生まれてきたような感じの人です。しかも色男。はぁあ〜。
ジャズ・プレイヤーとして認知され始めたのは、00年にリリースしたチェット・ベイカーへのトリビュートアルバム「Chattin’ With Chet」あたりからだと思いますが、特にブレイクしたのは04年に発表した全曲自身のボーカルをフィーチャーした「That Summer」。ジェイムス・テイラーを彷彿とさせる甘くフラットな歌声は、ボーカリストとしてのポテンシャルを余すところなく発揮。世のジャズ好きな女性たちを軒並み骨抜きにしたとかしないとか。(←ちょっと東スポっぽい?)
そして今年の4月にリリースしたのが、この「Oceana」。プロデューサーにジョニ・ミッチェルなどを手掛けた大物ラリー・クラインを迎え、今回は自身のボーカルは1曲のみに控え、カーラ・ブルーニやマデリン・ペルーなど多彩なゲストボーカリストを迎えたラグジュリーなバラードアルバムになっています。
レコーディングはすべてロサンゼルスで行われ、「Oceana(海)」というタイトルもロサンゼルスの海をイメージしているらしいのですが、聴いているとボク的には、イタリアかギリシャあたりの波の穏やかな遠浅な海を連想します。3曲目の「In My Secret Life」、9曲目の「River man」、10曲目の「Danny boy」あたりで、ボクはコイツになら抱かれてもいいと思いました。なんじゃそりゃ。
正直、ちょっとハンサム過ぎるアルバムで、個人的にはもうちょっと崩れてほしいですが、コレはコレである意味完成しきったアルバムでしょう。ティルはもちろんですが、ラリー・クラインのツボを押さえた手腕が圧巻です。季節を問わず、夕暮れ時に聴くとばっちハマります。たまにはこういう毒の薄い、心地良さを追求した音楽に心酔していみるのもいいでしょう。ま、男はちょっとチンクリで毒のある方がカッコイーけどね。なんちゃって。はぁあ〜。