12日目。昔から習ってたらよかったなーと思うことのひとつに、「ピアノ」があります。ピアノ弾ける人ってかっこいー。別にベートーベンとかモーツァルトとか弾けなくても、ちょっとキレイな旋律を「ポロロン」と弾かれただけで、結構惚れそうになります。ギターよりもインテリジェンスというか、育ちの良さを感じてしまうんかな。ちくしょー、もしもピアノが弾けたならなあ。………ということで、今回のレビューは西田敏行のあの名曲です。ウソです。今回も新譜です。フガーッ!
最近、イギリスの若手バンドが面白いです。中でも、フランツ・フェルディナンド、アークティック・モンキーズ、そしてこのキーンのトップ3は素晴らしいですな。
オシャレで計算高いフランツ、凶暴で野性的なアークティック・モンキーズ、繊細でメロディアスなキーンっていう風に、上手にキャラ分けが出来ていて、別々の方向性でありながら、人気も実力も三者伯仲しています。ちょうど10年ほど前にオアシスとブラーが、競いながらも一緒にミュージック・シーンの新時代を開いたように、今この3バンドがUKロックの歴史を大きく変えようとしています。お、ちょっとライナーノーツっぽくね、この文章? やるな、オレ。
このキーンというバンドの特徴は、メンバーにギターがいないこと。ドラムとボーカルとピアノのみの、3人体制。2004年にリリースしたファースト・アルバム「Hopes And Fears」は、そのギターレスな繊細さ、かつ全曲美メロの完成度に、全世界で500万枚のビッグセールスになりました。そして満を持してのセカンド・アルバム「Under The Iron Sea」が、今月リリースされました。
ギターの音を模したエフェクトを掛けたピアノや、凝りに凝りまくったアレンジ。ファーストのあのシンプルさを期待していた人にとっては、ちょっとガッカリかも知れませんが、同じことを繰り返されてもね。このくらい強烈に変わってもらったほうが面白いです。
相変わらずのメロディセンスに、重厚さと壮大さが加わり、ポスト・コールドプレイとか呼ばれてますが、ボクとしては、ポストU2かなと。美メロに乗せられて歌われる詞世界は、どれも疑心と後悔と裏切りに満ちています。ファーストシングルになった「Is It Any Wonder?」って曲は、恐怖や猜疑心に溢れた世界に対して「Is It Any Wonder?(それが何か?)」って歌ですよ。どんな暗い開き直りやねん。大好きです。
好き嫌いはもちろんあると思うけど、きっとこのアルバムはオアシスの「(What’s The Story) Morning Glory?」に匹敵するエポックメイキングになるような気がします。やっぱいいなあ、ピアノが弾けるって。「だけど〜ボクに〜はピアノがない〜、君に〜聴かせ〜る腕もない〜」。全然関係ないけど、子供の時この歌って、丹下左膳みたいな片腕のない人の話なのかと思ってた。フガーッ。