- アーティスト: チック・コリア, ジョー・ファレル, フローラ・プリム, スタンリー・クラーク, アイアート・モレイラ
- 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
- 発売日: 2003/04/23
- メディア: CD
4日目。5月だってのに東京は雨続きです。傘を持ち歩くのが嫌いなんで、雨が降ってるとどうも外に出るのが億劫になる。今日も日曜だというのに家でブログなんぞを更新中。部屋干しした洗濯物が生乾きで臭くなる。ちゃんと捨てたはずなのに、ゴミ箱から嫌な匂いがする。昨日履いていたお気に入りの靴も、濡れちゃったからちゃんと手入れしないとカビはえるなー。うーん、めんどい。家事が増える。チョンガーにはなかなかめんどい長雨です。こんな天気に負けないCDでも聴きましょう。
ジャズ・ピアニスト、チック・コリアが1972年に発表した記念碑的名盤。ジャズ史的にこのアルバムが占める役割は大きく、アコースティックとエレピ(エレクトリック・ピアノ)を融合した「フュージョン」という新しいジャンルを確立したアルバムと言っても過言ではないでしょう。詳しく説明すると、多分ものすごい長い文章になってしまうし、ボクの乏しい知識ではろくな解説にならんでしょうから、気になる方はアルバムのライナーノーツでも見てね。どんなレビューやねん。
難しいことはライナーノーツ任せにして、ボクがこのアルバムでなによりも好きなのが、このジャケ。写真かと思いきや、よくよく見ると筆の細かい繊細な油絵なのが分かります。海面をすれすれに走る海鳥。曇ってるけど、もうすぐ晴れる予感のする空の色。そしてシンプルな書体で上部に書かれたタイトル「Return To Forever」。永遠への回帰……。かっこいいー! 惚れたー! つって、10年くらい前によくよく知りもしないのに衝動買いしたのを覚えています。
曲は4曲しか入っていませんが、見事な構成になっていて、1曲目のダークで不吉な印象から、2曲目の静寂と平穏の訪れ、3曲目の人生の喜びをみつけた前向きさと爽やかさ、4曲目の歓喜と躍動、そして再び訪れる静寂から情熱的なフィナーレへ。
暗く冷たい雨の中を歩いていたら、いつのまにか雨がやんでいて、傘をたたむと徐々に空が明るくなってきていて、見上げると雲の薄くなった部分から、日の光が透けはじめている。そんな時の、なにかいいことが始まりそうな気がする、あの気持ち。ジャケの絵から受けた印象のままの音楽が、このアルバムにはきっちり詰め込まれています。
CDを聴きながら、こんなレビューを書いていたら、本当に外が明るくなってきた。恐るべし、チック・コリア。よし。出かけるか。