37日目。昨日のWBC。勝ちましたねー、王ジャパン。やっぱり勝因はチームワークでしょうか?テレビで観てるだけでも、チーム全員がものすごく仲がいいのがわかりましたもんね。イチローも松坂も「うれしいけど、終わってしまってチームメイトと離れるのがさみしい」ってコメントしてました。ひとりぼっちでがんばんなきゃいけない、孤独な時間は長いのに、親しい仲間との楽しい時間は、いつでもあっと言う間に過ぎてしまう。でもだからこそ、ボクたちはがんばるんすよね? 友と過ごすよろこびの時間。プライスレス。つうことで、今日はこのCDを。
ご存知、2005年のグラミーで最優秀アルバム賞をはじめ主要2部門、 全8部門受賞したレイ・チャールズの初のデュエット・アルバムにして遺作。いまさらレビューを書くのもはばかれるほどの名盤です。
すべてレイ自身が名指ししたと言われるデュエットの相手は、ノラ・ジョーンズ、ジェイムス・テイラー、エルトン・ジョン、ダイアナ・クラール、ボニー・レイット、B.B.・キング、ヴァン・モリソンと、全員大御所でありつつも、納得のいく人選です。黒人ソウル・ミュージシャンでありながらも、ジャズやカントリーミュージックを愛したこの人らしい、と思う。
このアルバムでボクの一番のお気に入りは、ウィリー・ネルソンとデュエットした7曲目「It Was A Very Good Year」。録音当時73歳のレイと、70歳のウィリーが、人生の素晴らしかった時間を振り返るという内容の、このシナトラの名曲を、まるで森深くにそびえ立つ2本の大木のようなアルトヴォイスで、深く歌います。
今、日々は短くなった
僕は人生の秋にいる
そして自分の人生をヴィンテージ・ワインのようだと思う
良質な古い樽から、縁から澱みまで
注げば芳醇で澄み切っている
なんて、いい年なんだろう
(訳:ハチ)
ライナーノーツで、ウィリーは、レイとの最後のデュエットになったこの曲についてこんな風に語っています。
“Ray and I are very good friends and there’s no one any better, as far as I am concerned, at what we do.”
「レイとオレは親友だよ。俺たちがやったよりうまくやれるやつらなんて、どこにもいないと思うんだ」
シャンパンをかけあうイチローと松坂の姿を見て、なぜかいつかしら年を取って、爺さんになったふたりが、ヴィンテージワインを飲みながら、「オレらってすごかったよな〜」なんて話してる姿が浮かびました。
さて、オレはジジイになった時、誰とそんなプライスレスな会話をするんでしょうか? あなたは?