23日目。無人島で古内東子なんぞのラブソングをひとりで聴いていたら、すっかり気分は乙女になってしまい、「東子〜わかる〜」なんて共感したりして、「もっとこういうのないかしらーん」ってCDの山を漁っておりますと、いましたいました。東子よりも10倍は濃いい感じのこの人が。
安藤裕子。そんな名前のアナウンサーがいましたが、別人です。28歳。もともと「池袋ウエストゲートパーク」などに出演していた女優さんでしたが、2003年にCDデビュー。このアルバムが2枚目になりますが、ほとんどが自作曲で、歌もうまいです。最近、月桂冠のCMで「のうぜんかつら」っていうこの人の曲が使われているので、知ってる人も多いかもしれませんね。
去年の秋頃に、はじめてこの人の歌をラジオで聴きました。このアルバムにも入っている「さみしがり屋の言葉達」って歌だったんですが、なんともキャッチーな声とメロディー。サイトで検索すると、さすが女優やってただけあって、かなりの美人。う〜ん応援しちゃおっかな、おじさん。早速アルバム買ってみました。
声質もそうだし、メロディーラインもそうなんですが、Charaに似ています。Charaをちょっとクセのある人にした感じ、というか。Charaも相当クセありますが、彼女の描くおおらかでオープンな世界に比べると、安藤裕子はもう少しダークで意地の悪い心象世界を描いてます。80年代ニューミュージックというよりは、70年代フォークに近い。オルタナティヴ的で、透明感があって、でも毒を持ってる歌っていうのかな。説明になってねえな。
でもその暗さが前面に出てこないのは、アレンジの力。カーネーションや東京スカパラのメンバーがフル参加しているこのアルバムは、どの曲も音に厚みがあって、彼女の描く世界に立派なフレームをつけてくれています。特に2バージョン収録されている「のうぜんかつら」は、この一曲でブレークするやもしれんと期待させるほどの名曲です。
さすがに「わかる〜裕子〜!」って気分にはなれませんでしたが、応援しちゃおっかな、おじさん。